2025年大河ドラマは江戸時代の浮世絵版元・蔦屋重三郎を主人公に描いた作品です。町民文化が花開いた18世紀半ば「江戸のメディア王」として活躍した蔦重の生涯が描かれます。

蔦屋重三郎〔1750-1797年〕

台東区千束（吉原）で生まれ、原点ともいえる吉原大門前に書店を開き、書籍の編集・出版業を開始しました。江戸を拠点に活動し、喜多川歌麿や東洲斎写楽などの浮世絵師、山東京伝や恋川春町といった文学作家たちと協力して数々の名作を出版したヒットメーカーです。台東区は、蔦屋重三郎が江戸の文化人と交流しながら活躍し、町人文化の発展に寄与したゆかりの地として、今も発展し続けています。

富沢印刷は、蔦重ゆかりの地台東区の社会課題を解決する地域サポーターです

オリジナルグッズの開発

蔦屋重三郎と吉原遊郭

歌川国貞（三代豊国）《北廓月の夜桜　ほっかくつきのよざくら》江戸時代・19世紀


蔦屋重三郎は1750年、江戸の吉原で生まれました。遊郭文化に囲まれた環境で育ち、やがて大門前の五十間道にある茶屋の一角を借りて貸本業を主としながら、地元での関係性を活かし、徐々に本屋としての基盤を築いていきます。
やがて、吉原遊郭のガイドブック「吉原細見」の編集と販売に携わるようになり、25歳の時、自ら版元となり『一目千本』という遊女評判記を初めて刊行します。同時に「吉原細見」の刊行にも乗り出しました。判型を大きくし、ページあたりの情報量を増やす一方でページ数を減らし、紙代を節約する工夫を施したのです。この戦略により、蔦重版の「吉原細見」は多くの支持を集め、市場を独占するまでに至りました。
1776年には「耕書堂」という屋号のもとで独立を果たし、吉原遊郭の文化や情報を扱う出版業者としての地位を確立していきます。